
月刊 『食品工場長』(日本食糧新聞社)で、2009年9月号から連載を担当している 『工場を元気にする自主保全・現場改善のポイント』 の記事概要をお知らせします。
前回は、現場の状態をきっちりと管理し、問題が起きた時でも適切に対処するための行動指針として、「三現主義」を紹介しました。今回は、安全・品質・設備の管理はもちろん、毎日の仕事すべてに関わる基本として、5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)を取りあげます。
■ 5Sはすべての原点
5Sを知っていますか? と聞くと、たいてい「知っている」という返事が返ってきます。しかし、本来の意味を本当に理解しているでしょうか? 単にモノを並び替えたり、床や壁を拭いたりするだけではなく、その目的を知ることが重要で、特に食品製造現場では「食の安全・安心」を考えた5Sの理解が必要です。
5Sをきっちり実施すると問題が明確になり、それらの改善が生産性や品質の向上、原価低減などにつながります。5Sが全ての原点なのです。
■ 「整理」 Seiri
整理とは、いるモノ、いらないモノを明確にし、不要なモノをなくすことです。現場に必要以上のモノがあると、清掃が行き届かず、異物の放置・混入の要因となります。しかし、「要らないモノを出す」だけでは整理は成功しません。必要と判断したモノのみを職場に入れ、不要なものを持ち込まないことが大切です。
■ 「整頓」 Seiton
整頓とは、必要なものをいつでも必要なときにすぐ使えるように、正しい置き方やレイアウトを決め、機能的な保管をすることです。整頓の原則としては、以下の4つがあげられます。
○ 置き場所を決める
○ 置き方を決める
○ 保管ル-ルを決める
○ 表示方法を決める
■ 「清掃」 Seisou
清掃とは、ごみ・汚れ・異物をなくしてきれいな状態にすると同時に、細部まで点検することです。発生源や不具合の摘出を行い、「清掃は点検なり」を実践します。食品工場においては、異物の徹底排除と、目に見えない菌などの除菌・殺菌、確実な洗浄が特に重要となります。
■ 「清潔」 Seiketsu
清潔とは、「整理・整頓・清掃」実施後の状態を維持することです。決められた生産条件(設備・人・衛生状態など)を保つことが重要で、そのためのル-ルを作り標準化を図ります。さらに、確実に実践されているか「目で見てわかる」体制を整えることが必要です。
■ 「しつけ」 Shitsuke
しつけとは習慣化であり、「守るべきル-ルを確実に守る」「任されたことはやりとげる」ことです。5S行動基準の整備と守るべきことの明確化が必要で、以下のようなことが運用のポイントになります。
○ 結果を良くする行動基準を明確にする
○ 正しい伝達と訓練で確実に伝える
○ 口に出して毎日行動、悪いときは上司がすぐに指摘
○ その日の体調・服装(作業服)などは相互にチェック
※ 前回(第2回)の記事 : 「三現主義」実践の勧め