
TPMは国や業種を問わず数多くの企業に導入され、事業所ごとにそれぞれ特徴ある活動が展開されています。はたして、隣の工場はどのように活動を進めているのか? 気になるところです。
そこで、ホームページでTPMの活動概要を紹介している企業様にスポットをあて、許可をいただいたうえでその内容を紹介します。 また、実際に工場を訪問しインタビューした内容もレポートします。
第3回は、北海道石油共同備蓄(株)様のご紹介です。
【北海道石油共同備蓄 株式会社 様】
■ホームページ (TPM活動の紹介ページ) http://www.hjos.co.jp/hotpm.html
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TPMの全体概要と自主保全を中心に構成され、活動の経緯や展開ステップがよく分かるようになっています。他には、TNL改善システム[注1] や可動(べきどう)管理[注2] など独自の取り組みも紹介されています。
[注1] TNL改善
TNLとは、Ten Needless の略で、日常点検や作業を安全にラクに正しく短時間に行えるよう、「のぼらず」、「おりず」、「近寄らず」など、"10の要らないこと"の視点を切り口とした不具合の発掘や改善の目のつけどころ。
[注2] 可動(べきどう)管理
運転と保全の両面から、停止している時間の長い設備がいつでも動き、必要な能力を必要な時間発揮できる状態に管理する手法。
■インタビュー(抜粋)
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2008年10月16日 北海道事業所へ訪問し、TPMへのこだわり、活性化施策などをお尋ねしました。
Q) 備蓄基地ならではのTPM活動の特徴・工夫は?
A)
備蓄基地の特徴としては、生産がない、日々の変化が少ないということがあげられます。 つまり設備は常時稼動している訳ではありません。一方、当社の備蓄の大半は国家備蓄であり、緊急事態が生じた場合にすぐ出荷できる即応力が非常に大切な経営課題となってきます。そこで、運転と保全の両面から、設備をいつでも動かすことができ、必要な能力を必要な時間発揮できる状態に管理する手法を作りました。当社ではこれを可動(べきどう)管理と呼び、自主保全のステップ展開に反映させるなど日々の設備管理に役立てています。
また、当社に限らず装置産業全般に言えますが、一人当たりの持ち場が広大であることも特徴です。そこで、日常の点検や作業を安全にラクに正しく短時間にできる工夫が必要になります。ホームページで紹介しているTNL改善システムは、改善を生み出す視点を 「10の要らないこと」として分類したものです。システムとして体系化したことで、ひとつの改善が更にレベルアップして横展開されたり、様々な効果を生み出しています。TNLで実現した改善は累計で8,700件近くに達し、優れた改善を実施した個人に贈られる『創意工夫功労者賞(文部科学大臣表彰)』も9年連続で延べ18名受賞しています。
活動を活性化するための施策は?
A)
基本姿勢として、自分たちの活動成果は積極的に社外へ情報発信するようにしています。外部からの評価を請うことは、対外的な信頼感を増すとともに、結果的にモチベーションや改善レベルの向上につながると考えています。先に説明した創意工夫功労者賞への挑戦をはじめ、JIPMやJIPMソリューションが主催するイベント・発表会なども情報発信の場と位置づけ、積極的に参画しています。12月10日に開催される『TPMフェア2008』でも、改善事例とTPMマスコットキャラクターの展示を予定しています。
当社は、このたび2008年度のTPM優秀継続賞を受賞しました。賞を取ることがTPMを継続する目的ではありませんが、逆にTPMを継続していくために賞をターゲットの一つとすることは、活動を活性化するうえで有効だと思います。今回で2002年、2005年に続く3度目の継続賞受賞になりますが、長期的なTPM推進計画とうまく連携することができました。
日々の活性化施策の例として、改善提案のしくみを紹介します。改善提案の評価方針として、件数と質のバランスをどうとるかは常に悩むところですが、現在は、"件数"があってこそ、きらりと光る"質"の高いものが生まれる。さらに、気づいた問題に対して「すぐさま行動に移れる」雰囲気・習慣づくり及び5Sの徹底になるという考えのもと、復元(整備や修繕等)も改善と認めています。目標数値は復元も含め1人あたり月50件と設定しており、年2回実施する「改善提案件数表彰」で上位10名を表彰しています。
他には、『なるほど おもしろ 改善王』 というイベントも毎月実施しています。自慢の改善事例をエントリーし、投票期間を定めたうえで社員全員が投票を行います。そして、一番人気の改善を実施した人をその月の『改善王』として表彰します。月々の改善王の写真を食堂に掲示したり遊び心を加えながら実施していますが、活動の活性化にとても役立っています。
■5S道場・保全道場見学
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今回は、「5S道場」と 「保全道場」を案内いただきました。
5S道場では、現場で使う主な工具類の管理状態を見える化し、さらに人間工学の視点で改善を進め、「楽に取り出せ、楽に戻せる」環境を実現されています。
保全道場には、自分たちで工夫した様々な体験型学習ツールが集められ、日々の教育訓練に活用されています。
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写真(クリックで拡大)左側は、回転機器の振動測定をする際の適正押し付け圧の体感学習キット。右側は設備異常の早期発見五感トレーニングのひとつで、液漏れ・油漏れを匂いで判定する教育キット
(いずれも市販の日用品を上手に活用し、自作されています)
■最後に
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北海道石油共同備蓄様は、倉庫業として初めてPM賞を獲得(1999年)された事業所です。それと関係するかもしれませんが、独自の工夫を長年にわたり積み重ねてきた様子が、今回の取材で特に印象に残りました。
当日は関係者の皆さんご多忙にも関わらず、気持ちよく応対いただき本当にありがとうございました。改めてお礼申しあげます。 (JIPMソリューション 広報担当 F.K)
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